出産後も、このままお仕事を続けるかどうかを迷われる方は多いと思います。
そんな時、話題になるのが「育児休業給付金制度」。
この制度、出産後も勤務先に勤める意思がある人だけがもらえる給付金なんです。
今回はこの育児休業給付金制度について、詳しくお伝えしていきます。
目次
◆どんな制度なの?
1歳未満のお子さんを養育するために会社で育児休業を取得した場合に、一定の要件を満たすと1歳になる前日まで支給される給付金制度
・ただし、それより前に職場復帰された場合は、復帰日の前日までの支給
・ママの場合は、産後休業期間である出産日翌日から8週間は育児休業期間に含まれません
・パパの場合は、出産日当日より育児休業取得可能
<ここ数年の改正について>
2014年4月~
最初の180日間、休業開始時賃金日額の50%→67%ともらえる割合が増えた
2017年10月~
認可保育園に入所できない等の理由がある場合は申請すれば最長2年まで延長が可能に
(ただし、お子さんの誕生日が平成28年3月31日以降で、1歳6か月に達する日の翌日が平成29年10月1日以降になる人が対象)
この制度について詳しくは↓
ハローワークインターネットサービス
◆どんな人が利用できる制度?
一定の要件を満たした上で、1歳に満たない子を養育しているママやパパ
・雇用保険に加入している
ー専業主婦や自営業の場合ー
雇用保険に入っていないので、この制度は取得不可
ー契約社員・派遣社員・パートの場合ー
雇用保険に入っていた場合でも、育児休業開始時において同じ勤務先で1年以上雇用が継続していて、かつお子さんが1歳6か月までの間に、引き続き雇用される見込みがあることが条件
・育児休業を開始した日の前2年間に11日以上働いていた月が12ヶ月以上あること
(転職はOK。しかし、前の勤務先で退職後失業保険をもらった場合は、この月数にカウントできない)
・就業している日数が各支給単位期間(1ヶ月ごとの期間)ごとに10日以下であるとともに休業日が1日以上あること
<ただし、こんな場合は支給額がもらえない>
・育児休業を取得せずに職場復帰する人
・妊娠中に勤務先を退職する人
・育児休業開始時点で育休後に職場復帰する予定のない人
・育児休業期間中に1か月あたりの賃金の80%以上が会社から支払われる場合
<こんな場合は支給額が減額されてしまう>
・育児休業期間中に1か月あたりの賃金の13%~80%未満が勤務先から支払われる場合
賃金月額の80%相当額と賃金の差額を支給される
◆申請の仕方とは?
①妊娠中に勤務先の総務等から必要書類をもらえるように手配。
②育児休業に入る前に「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」を受け取り、必要事項を記載
母子手帳の写しなどを添えて勤務先に提出。
③勤務先がハローワークに手続きしてくれる。
④育児休業給付金は、産後休業後(出産から56日経過後)から支給されるので、初回の振込みは、育児休業が始まって2~3か月後経った頃、つまり出産から数えると4~5か月経過後です。
*支給は2ヶ月ごと(会社が申請した場合)
自ら申請手続きし、希望すれば1ヶ月に1度の支給申請をすることは可能
◆どのくらいもらえるの?
育児休業開始から最初の6か月間は賃金月額の67%
育児休業開始6か月経過後からは賃金月額の50%
(賃金月額=育児休業開始前6か月間の賃金を180日間で除したもの×30日間)
ただし、支給額の上限額や下限額がある(毎年8月1日に変更あり)
・上限額 賃金月額が447,300円を超える場合は
最初の6か月間 299,691円
6か月経過後 223,650円 までしか支給されない
・下限額 74,100円
*つまり賃金月額の多い方はパーセンテージを下回る可能性があるので注意が必要!
(例)
賃金月額が23万円の人が育児休業を8か月間育休をとった場合にもらえる金額
・最初の6か月間(67%)
23万円×67%×6か月間=92万4600円
・6か月経過後(50%)
23万円×50%×2ヶ月間=23万円
合計 924,600円+230,000円=115万4600円
働いていない期間でも、これだけの給付が受けられるのとは、とてもありがたい制度ですよね。
お仕事の継続を迷われているママさんには、この点について必ず考えてみてほしいと思います。
◆育児休業給付金を延長される特例とは?
1歳に達する日以後もしくは1歳6か月に達する日以後、以下の延長事由に当てはまる場合は、育児休業給付金の支給を延長することができます。
・認可保育園の申込みをしたが、入れない場合(無認可は対象外)
・配偶者が死亡した場合
・離婚し配偶者がお子さんと同居しない場合
・養育する予定だった配偶者が病気や障害になり養育が困難な場合
・6週間以内に出産予定もしくは産後8週間を経過していない場合
(いつまで延長可能?)
養育しているお子さんが1歳6か月に達する日の前日までの期間
平成29年10月1日以降(ただし、お子さんの誕生日が平成28年3月31日以降で、1歳6か月に達する日の翌日が平成29年10月1日以降になる人が対象)については、1歳6か月に達する後の期間も育児休暇を取得する場合、お子さんが2歳に達する日の前日までの期間
◆育児休業中の扶養について
*税金の扶養について
奥さんのその年の給与年収が103万円以下であれば、旦那さんが年末調整で配偶者控除を受けることが可能です。
出産育児一時金や育児休業給付金は非課税ですので、給与年収が103万円以下であればご自身の所得税や住民税はかかりません。
*社会保険(厚生年金・健康保険)の扶養について
産休・育休中も自分の会社の社会保険に加入しているので、旦那さんの扶養になる必要はありません。
産休・育休中は、免除申請をすれば社会保険料の支払いが免除になります。
旦那さんの社会保険の扶養になった場合は、ご自身の年金が厚生年金→国民年金第3号に変わり、将来の年金が多少減額されてしまいますので注意が必要です。
◆勤務先からの出産祝金は収入に入るの?
結婚祝金や出産祝金は、社会通念上相当とみとめられる金額については非課税になりますので、問題ありません。
以上、育児休業給付金制度についてお送りしました。